避雷針や避雷器って必要なの? 仕組みや設置の義務、種類について解説

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千葉県白井市を拠点に一般住宅からマンション、店舗、テナントなど、幅広く電気工事を手掛けている和興電業株式会社です。


突然空が光って大きな音を轟かせる雷は、苦手とする方も多いでしょう。ただびっくりするだけでなく、建物の破損や停電、火災、そして感電事故などを引き起こす恐ろしい災害でもあります。そんな雷への対策として、いろいろな建物に設置されているのが「避雷針」です。ここでは避雷針の役割や設置義務、種類といった知識をご紹介します。




■そもそも雷はどのようにして発生するの?



避雷針の仕組みや役割を理解するためには、そもそも雷(落雷)がなぜ発生するのかを知っておく必要があります。そこで、雷の発生メカニズムを簡単に確認しておきましょう。


まず、地上付近の温かく湿った空気が上昇気流によって吹き上げられると、上空の寒気で冷やされて水滴ができ、雲になります。空の高いところはさらに低温なので、水滴が凍って氷の粒となり、次第に大きくなって下降を始め、上昇してくる氷の粒とぶつかり合うことで静電気が発生します。この静電気を帯電させた雲が「雷雲」です。


雷雲の上層にはプラスの電気が、下層にはマイナスの電気が溜まり、その影響で地表にはプラスの電気が溜まります(静電誘導作用)。やがて、雲の中に蓄えられた電気が一定量を超えると、雲の中で放電が始まり、光ったり雷鳴が聞こえたりするようになります。上空で「ピカッ!」「ゴロゴロ……」となっているのがこの状態です。


そして、雲の中の放電だけでは溜まった電気を解消しきれなくなると、今度は地表に向かって放電が始まります(先行放電)。最終的に、雲からの放電が地表近くに到達すると、地表からも放電(お迎え放電)が発生。上下の放電が結びついた瞬間、そこが電気の通り道となって、雲から地上への巨大な放電現象が発生します。これこそが落雷です。




■避雷針って何? どんな仕組みなの?



雷の発生メカニズムを知れば、避雷針の仕組みもご想像いただけるでしょう。避雷針とはすなわち、雷を誘導して受け止め、雲に溜まった電気を地面に逃がすための設備です。


避雷針は細長い棒のような形状で、電気を通しやすい金属で作られており、建物の屋上などの雷が落ちやすい場所に上空へ突き出すようにして設置されます。避雷針は自らお迎え放電を出して落雷を誘導し、避雷針に落ちた雷の電気は導線を通り、地面に埋められている金属製の電極に向けて流されます。こうして安全に雷を処理し、被害を防ぐのです。


ただし、避雷針があるからといって必ずそこに落雷するとは限らず、有効範囲も下方40°~60°程度に限られます。また、雷が建物内を通過する際、電気機器がダメージを受ける可能性も否定できません(誘導雷)。そのため、電気機器を守る「避雷器」の併用が推奨される他、最近では「雷を落とさない避雷針」も普及してきています。詳しくは後述します。




■避雷針と避雷器の違いは?



雷対策用の設備としては、避雷針の他に「避雷器」というものもあります。2つの役割の違いを簡単に説明すると、避雷針が「直撃雷(一般的な落雷)」から建物を守るための設備なのに対し、避雷器は「誘導雷」「雷サージ」から電気機器を守るための設備です。


落雷のエネルギーが大きいと、避雷針でエネルギーを地面に逃がしても、電磁誘導によって周囲の電磁界が変動し、建物内の電気機器に影響を及ぼすことがあります。これが誘導雷です。さらに、それによって発生した過電流や過電圧が、電線や電話線を通じて建物内に入ってくる場合があります。これが雷サージです(直撃雷による雷サージもあります)。


誘導雷や雷サージの影響を受ければ、避雷針によって建物を守ることができても、建物内の電気機器が故障・破損しかねません。それを防ぐために設置されるのが避雷器です。避雷器の仕組み自体は避雷針と似ており、避雷器が受け止めた電気を地表へ放電することで被害を防ぎます。避雷器は避雷針に比べると小型で、一般的には電柱や電話線などに設置されている他、家庭用の避雷器を内蔵したコンセントもあります。




■避雷針や避雷器に設置義務はあるの?



避雷針や避雷器は、建物や電気機器を雷から守るためには必須の設備といえます。では、避雷針や避雷器に設置義務はあるのでしょうか?


まず避雷針については、高さ20mを超える建築物に設置義務があります(建築基準法による規定)。この20mというのは、建物に乗っているもの・付属しているものも含めての話です。そのため、屋上に空調の室外機やキュービクル、広告塔、煙突などが設置されている場合は、それらの高さも含めて計算する必要があります。


逆にいうと、高さが20mを超えていない建物であれば、避雷針を設置しなくても違法にはならないわけです。とはいえ、高さ20m未満の建造物でも落雷のリスクはあります。特に、周囲に避雷設備を備えた高層建築がない場合や、山岳地帯などの落雷リスクが高い場所、煙突やアンテナがある建物、多くの人が利用する建物などの場合は、義務がなくても避雷針を設置しておくのが望ましいでしょう。


また、消防法では、指定数量以上の危険物を扱う製造所や貯蔵所に避雷設備の設置を義務付けています。さらに火薬取締法でも、地上に設置する一般火薬庫に設置を義務付けているなど、高さだけが設置基準になっているわけではありません。所有・管理する建物に避雷針の設置義務があるかどうかは、詳しく確認しておくべきだといえます。


一方、避雷器については特に設置義務はありません。これは、誘導雷や雷サージが直接人的被害をもたらすことがないからです。しかしながら、オフィスや工場内の電気機器が故障すれば、大きな損害を受けるのは間違いありません。中核となる機械の買い替えが必要になったり、データベースが丸ごと吹き飛んだりして、営業・操業不能に陥る場合もあるでしょう。


さらに、病院や福祉施設であれば、患者や入居者の生命にも関わります。義務ではないからといって設置を見送っていると、取り返しのつかない事態になるかもしれません。こういった施設では、できる限り避雷器を設置しておくのがおすすめです。




■雷を落とさないものもあります! 避雷針の種類を紹介



ここまで見てきた避雷針は、いわゆる従来型(フランクリンの避雷針)です。日本やイギリスでは今なお使われていますが、すでに発明から250年以上が経過しています。避雷針の種類としては、実はとても原始的なものなのです。


そして従来型の避雷針は、「雷を避ける」と書くものの、実際には「雷を呼び込んで」います。雷を無効化するわけではないため、近くにいれば雷撃を被る可能性がありますし、誘導雷や雷サージによる被害も無視できません。情報化社会である現代において、電気機器の故障は非常に大きな損害となります。避雷針が発明された250年前とは、状況が大きく違っているのです。


そのため、より安全で確実性の高い避雷針も発明され、従来とはまったく性質の異なる避雷針も登場しています。主な避雷針の種類を見ていきましょう。



・ESE避雷針



より優れた集雷機能を求めて開発された避雷針です。ESEとは「Early Streamer Emission」の略で、「早期ストリーマ放出型避雷針」を意味します。つまり、お迎え放電(ストリーマ)をより早く放出する避雷針ということです。主にフランス、スペイン、中国で使用されています。


「雷を呼び込む避雷針」である点は、ESE避雷針も従来型も変わりません。しかし、より早いお迎え放電のおかげで、雷雲からの下向き放電をキャッチできる距離が長くなり、従来型よりも防護範囲が広くなっています。そのため、従来型よりもさらに落雷を防ぎやすくなっているのに加え、避雷針の設置数が少なくて済むのが大きなメリットです。



・消イオン容量型避雷針



2003年にヨーロッパのアンドラ公国で発明された、従来型とはまったく性質の異なる避雷針です。現在は世界各国で使用されている他、日本でも防災製品として認定されています。


消イオン容量型避雷針は、上空によるマイナスの電気を常に引き寄せ、さらに地面にあるプラスの電気も本体へ引き寄せています。これらプラスとマイナスの電気を本体内部で中和し、微弱電流として安全に地面に逃がしているため、大気中にマイナスの電気が飽和することがありません。つまり、そもそも落雷を発生させないようにしているのです。


防護範囲は設置場所から半径100m程度で、24時間365日機能します。ただし、設置場所の高さや位置によって範囲は変わり、高さ20mの場所なら半径100mの円錐形が防護範囲です。フランスでは200ヶ所に設置したところ、2005年~2010年までの5年間で、設置場所付近に落雷はありませんでした。まさに次世代の避雷針といえ、さらなる改良や普及が望まれます。




■雷は非常に危険! 避雷針は必ず設置しましょう



落雷が直撃すると、ほとんどの建物が被害を受けます。木材にコンクリート、石に鉄鋼など、どのような材質でもダメージを避けることはできません。また、大電流が流れることによる火災や電気機器の故障・障害、水蒸気爆発など、さまざまな被害が予想されます。


特に近年では、異常気象によって落雷が増加傾向にあります。多くの人が利用するマンションや商業施設はもちろん、生産活動を行う工場、神社仏閣のような歴史的建造物、そして危険性の高いガスプラントなど、あらゆる建造物が落雷の脅威にさらされているのです。


落雷の被害から建物や人命を守るためにも、避雷針の活用は欠かせません。避雷針の設置が義務化されている建物では、避雷針を適切に設置する必要があります。避雷針を新たに設置したい時や状態を確認したい時、より高性能なものに交換したい時は、まず専門業者に相談してみましょう。



和興電業は「街の電気屋さん」として、千葉県白井市を拠点に地域密着で50年以上電気工事に携わってきました。設計の段階から打ち合わせを重ね、自社所属の経験豊富な電気工事士が、ダブルチェックしながら丁寧な施工を行っています。ミスがないだけでなく、メンテナンス性に優れ使い勝手のいい設備を設計できるのが強みです。


避雷針の設置はもちろん、LED化に伴うバイパス工事や照明器具の購入・設置工事など、幅広い電気工事に対応しております。豊富な経験に基づく高い技術力を活かし、現場の状況やお客様のライフスタイルを考慮した、最適なプランをご提案させていただきます。東京電力優秀電気工事店認定も受けておりますので、電気工事のことなら安心して当社にお任せください。