オフィス移転時の電気容量の確認は必須! 方法と不足時の対処法を紹介  

こんにちは。

千葉県白井市を拠点に一般住宅からマンション、店舗、テナントなど、幅広く電気工事を手掛けている和興電業株式会社です。


オフィスを移転する時は、広さ・家賃・立地などいろいろなことを気にする必要がありますが、忘れてはならないのが「電気容量」です。照明・空調・OA機器といった多くの電気機器を使用するオフィスにおいて、電気は欠かせません。もし電気容量が不足していれば、さまざまなトラブルが発生するでしょう。


そのため、オフィスを移転する時は、必要な電気容量を事前に確認し、不足しているなら電気工事で対応することが大切です。ここでは、オフィス移転時の電気容量の確認方法と、不足時の対策について解説します。




■オフィスに必要な電気容量はどれくらい?



最初に、オフィスに必要な電気容量がどのくらいなのかを確認しておきましょう。必要な電気容量は、使用する電気機器をリストアップした上で、それぞれの消費アンペア数を調べておくと大まかに算出できます。オフィスで使われる主な機器類と消費アンペアは以下の通りです。


パソコン:1A~2A(デスクトップよりノートPCの方が少なめ)

エアコン:8A~12A

複合機:15A~20A

蛍光灯:0.3A~0.4A

シュレッダー:1.5~6A

ルーター:0.05~0.1A


これをもとに、従業員5人の小規模なオフィスを想定した場合、消費アンペアの合計値は以下のように計算されます。


パソコン:2A×5台=10A

エアコン:8A

複合機:15A

蛍光灯:0.4A×12本=4.8A

シュレッダー:2A

ルーター:0.1A


10A+8A+15A+4.8A+2A+0.1A=39.9A


よって、消費アンペア=必要な電気容量は、大体40Aということになります。ただ、これはあくまでも目安です。他にもコーヒーメーカーや自動販売機などを設置する場合があるかもしれませんし、冬場には電気ヒーターなどを使うケースがあるかもしれません。


あまりにもギリギリだと後述するような問題が起きるので、5A程度は余裕を見ておくのがおすすめです。また、従業員が増えた時などに必要な電気容量をすぐに計算できるよう、機器の消費アンペア数は表やリストにまとめておくといいでしょう。




■電気容量が不足していると、どんなトラブルが発生するの?



移転先のオフィスの電気容量が不足していたとしても、引っ越すこと自体は可能です。実際に、電気容量を確認せず引っ越すケースもあるかもしれません。しかし、電気容量が不足していると、さまざまなトラブルが発生します。主なトラブルを挙げてみましょう。



・ブレーカーが頻繁に落ちる、電気機器が使えない



電気容量が不足している時によく発生するのが、頻繁にブレーカーが落ちるトラブルです。誰かが個人用の機器を使うなどして、一瞬でも消費電力が電気容量を上回れば、ブレーカーが落ちて停電してしまいます。その度に業務を中断しなければなりませんし、バッテリー式でないパソコンなどは再起動が必要になるでしょう。


また、急な停電の影響で機器が故障したり、作成中の資料のデータが消えたりといったトラブルも考えられます。ブレーカーが落ちるのを防ぐためには、一部の照明を消しておくなどして、電気の使用を制限しなければなりません。どちらにしても業務に支障をきたすのは間違いなく、従業員のモチベーションや生産性が低下する可能性があります。



・増設工事ができない、増設コストが高くつく



「電気容量が足りないのなら、増設工事をすればいいのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、実はそう簡単にはいきません。なぜならオフィスビルにおいては、ビル全体の電気容量が決まっているからです。


ビルの電気容量に十分な余裕があるなら、自社が借りている部屋に対応するブレーカーを交換するなど、比較的簡単な工事で済みます。ところが、ビルの電気容量自体が足りない場合は、変圧器の交換などの大掛かりな工事を行わなければ空き容量を増やせません。これはコストが相当かかりますし、工事のビルオーナーの同意も必要になります。


つまり、オフィスビルに入居してから電気容量の不足に気づいたとしても、増設は難しい場合が多いのです。そのまま我慢して使い続けるか、多大なコストを負担して増設してもらうか、別のビルに転居するかを選ばなければならないでしょう。



・部屋のコンセントがすべて同一の回路だった



電気配線は通常、1つのブレーカーに対して1つの回路があり、その回路から複数のコンセントが分岐しています。1つの回路の電気容量は、15A~20Aが一般的です。


つまり、たとえ別々のコンセントだったとしても、同じ回路につながっているのであれば、使用する機器の消費電力を15A~20A以内に収めなければなりません。これを超えるとブレーカーが落ちてしまいます。そのため、回路は複数用意しておき、複合機のように消費電力量が大きい電気機器には、専用の回路を与えるのが原則です。


ところが、実は部屋にあるコンセントがすべて同一の回路だった……というケースは珍しくありません。この場合、別々のコンセントに機器を接続したとしても、実際には1つのコンセントに接続しているのと同じです。当然、簡単にブレーカーが落ちてしまいます。



このように、電気容量の不足に伴うトラブルは、業務に多くの悪影響をもたらします。後から増設するのが難しい以上、オフィスを移転する前に電気容量をチェックし、必要に応じて工事を行ったり余裕のある物件を選んだりしなければなりません。


もちろん、適切な対応のためには費用がかかります。しかし、費用削減のために電気容量をチェックしなかったり、増設工事を行わずギリギリの物件に入居したりすると、かえって損をすることになりかねません。多くの電気機器を使用するオフィスにとって、電気容量の問題は最重要事項ですから、オフィス移転の際には必ずチェックしましょう。




■オフィスの電気容量の確認手順



移転先のオフィスの電気容量は正確に確認し、なるべく余裕を持たせておくことが大切です。そこで、オフィスの電気容量の適切な確認手順をご紹介します。



1:必要な電気容量を算出する



まずは前述した方法で、オフィスに必要なおおよその電気容量を算出します。見積もりが甘くならないよう、機器の最大アンペア数を用いて計算し、エアコンなどもフル稼働させた「消費電力量の最大値」を算出することが大切です。



2:オフィスの電気容量(アンペア数)を確認する



移転先のオフィスの電気容量を確認します。最も簡単な方法は、ブレーカーを確認することです。ブレーカーには基本的にアンペア数が記載されており、それを事前に算出した必要電気容量と比較すれば、オフィスに必要な電気を賄えるかどうかを判断できます。


もし電気容量が不足していたら、この段階で物件の変更や増設工事などを検討しなければなりません。また、ブレーカーの位置がわからない場合やアンペア数の記載がない場合は、必ずビルのオーナーや仲介業者に確認を取りましょう。



3:電気回路を確認する



電気容量に問題がないとわかったら、次は電気回路をチェックします。そのための鍵となるのが「分電盤」です。外から建物内に引き込まれた電気は、分電盤を通じて複数の回路に分割され、各フロアや各部屋に分配されています。


この電気回路1つ分の一般的な電気容量は、前述したように15A~20Aです。1つの電気回路に対してコンセントが1つだけとは限らず、複数のコンセントがついている場合もよくあります。つまり、部屋のどこでどの機器を使うのかを決めた上で、電気回路が適切な配置になっているかどうかを確認しなければなりません。


どのコンセントがどの回路につながっているのかは、分電盤に記載されています。記載がなくわからない場合は、回路ごとのスイッチのオンオフを切り替え、コンセントに接続した電気機器が使えるかどうかで判断できます。


電気機器はなるべく1つの電気回路に偏らないようにし、サーバーや複合機といった消費電力量の大きな機器には、専用の回路を与えることが大切です。希望する機器の配置と比較して電気回路の使い勝手が悪そうなら、工事による変更を検討してください



4:分電盤の空き回路を確認する



電気回路は常にすべて使われているとは限らず、用途の決まっていない「空き回路」もあります。分電盤を見れば、空き回路があるかどうかを確認可能です。既存のコンセントだけでは電気容量が足りないか、必要な場所にコンセントがない場合は、空き回路を使ってコンセントを増設することができます。


もちろん、将来コンセントの増設が必要になった場合も、空き回路があると比較的簡単に工事ができるでしょう。今すぐ使わないのだとしても、空き回路があるかどうかを確認しておくのがおすすめです。



5:将来的な電気工事の必要性を検討する



従業員が増えたりオフィスを拡張したりした場合は、当然ながら必要な電気容量が増えます。サーバーなど、消費電力量の大きな機器を追加で設置するケースもあるでしょう。


こういった環境の変化が想定されるなら、電気容量にも相応の余裕を持たせておくか、将来増設工事ができるようにしておく必要があります。事業の拡大や従業員の増加などの可能性については、移転先を決める前に社内で十分に検討してください。




■電気回路の設計も重要! 経験豊富な業者に相談しましょう



ここまで見てきたように、オフィスを移転する際の電気容量の確認は非常に重要です。移転してから増設ができるとは限りませんし、仮にできるとしても多大なコストがかかったり、業務を一時停止しなければならなかったりするかもしれません。家賃の安さや立地だけにとらわれず、電気容量が足りているかどうかを十分にチェックする必要があります。


それに加え、電気回路の設計も大切です。たとえ電気容量が十分でも、コンセントが使いやすい位置になかったり1つの回路に偏っていたりすれば、とても仕事がしにくいオフィスになってしまうでしょう。場合によっては電気配線の大幅な改善や、新たな電源の導入も必要です。


以上の点を考慮すると、オフィスを移転する際は経験豊富な電気工事業者に相談するのが得策だといえます。移転してから後悔しないよう、電気容量や電気回路設計について、十分な確認や打ち合わせを行いましょう。



和興電業は「街の電気屋さん」として、千葉県白井市を拠点に地域密着で50年以上電気工事に携わってきました。設計の段階から打ち合わせを重ね、自社所属の経験豊富な電気工事士が、ダブルチェックしながら丁寧な施工を行っています。ミスがないだけでなく、メンテナンス性に優れ使い勝手のいい配線設計ができるのが強みです。


オフィス移転時の電気工事の他にも、LED化に伴うバイパス工事や照明器具の購入・設置工事など、幅広い電気工事に対応しております。豊富な経験に基づく高い技術力を活かし、現場の状況やお客様のライフスタイルを考慮した、最適なプランをご提案させていただきます。東京電力優秀電気工事店認定も受けておりますので、電気工事のことなら安心して当社にお任せください。